TRY TRY NIICHE アイディアマンが生み出す、新たなスタンダード

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trymain結成からわずか4ヶ月のバンドとは思えない、まさに飛ぶ鳥を落とす勢いを見せている男女ピアノロックバンド、TRY TRY NIICHE。さまざまなバンドで活動を続ける傍らで作曲家としても活躍しているヲクヤマ(Vo&Key)を迎え、元the Study roomの柴山大樹(Gt)、たなべあきら(Ba)が、女性ドラマーのゆーみん(Dr)と共にバンドを結成した。
一度聴いたら病みつきになるキャッチ―なメロディと、繊細なピアノ、疾走感あふれるギターロックを絡めるという爽やかな楽曲が特徴で、7月に公開されたMV「initiation」は瞬く間にウェブ上を駆け巡った。さらに各オーディションでは次々と受賞歴を重ね、9月の初自主企画は見事ソールドアウトを記録している。
彼らが注目を集めているのはポップな楽曲もさながら、隅々までをエンターテイメントとして認識し、リスナーを巻き込んでいく活動の仕方にある。「全員がアイディアマン」だというTRY TRY NIICHEが目指すバンドの在り方とは?メンバー4人が取材に応じてくれた。
[Photo:佐々木拓也 Interviewer:加藤彩可]


自分が聴きたいと思う音楽がない だったら自分でやってみる

——バンド結成の経緯から教えていただければと思うのですが。

たなべ:僕が前にやっていたバンドが昨年末で解散して、1度頭をフラットにして「この人とやりたいと思える人と音楽をやろう」ということで、年明けくらいからそれぞれお声をかけさせて頂きました。

奥山:超熱烈アピールを受けて、「やるしかねえな」って入りました。
zentai
――最初は奥山さんに声掛けてって感じですか?

たなべ:はい。自分の中でやりたいバンドのイメージがあって、そこに一番ハマるなと思ったんです。人間性も含め、声とか鍵盤のプレイとか。大樹は前に一緒にやっていたのもあって、軽い感じで誘ってはいました。バンドが形になりそうな段階で大樹にはちゃんと声を掛けて、4人が集まった感じです。

大樹:僕は一回社会人やろうと思って、でもバンドもやりたいと思ってました。欲張りなんです。

――たなべさんは、具体的にどんなバンドのイメージをされていたんですか?

たなべ:既存のバンドに例えると難しいんですけど、cinema staffみたいな轟音や勢いの中に、ピアノの綺麗な音が混ざったバンドがやりたいなと思っていたんです。ロックが好きではあるんですけど、重すぎたり、綺麗過ぎたり、自分が一番聴きたいと思うバンドがいない。だったら自分たちでやろうと思って、このメンバーを声掛けました。自分の理想のバンドメンバー。

――ゆーみんさんとの出会いは?

ゆーみん:私の大学の先輩がPandemia Rabbitってバンドを組んでいて、大樹さんとたなべさんと仲が良かったんですけど、そこのギターボーカルの功也さんが私を紹介してくれたんです。

大樹:俺は一切紹介されてないけどね!

たなべ:スタジオに入るまで会ったことなかったんですよ。

奥山:スタジオでほぼ、はじめまして。

ゆーみん:スタジオ入ったのは1月22日。わたし誕生日だった(笑)。

――みんなが会ってからスタジオ重ねて曲作りもしていって、完全にバンドとしてスタートしたのが3ヶ月、4ヶ月前?

奥山:2015年の7月5日にバンド結成の発表をして、12日に初ライブがあった。

――12日がメーザーフェスですね。先日メーザーフェスの取材をアップさせていただいたんですが…誤算でした。直前までニーチェの存在を知らなかったんですが、おっくんが「俺も出るから」って…やられましたね。
(【特集】音楽を「学ぶ」を考える 〜音楽学校「メーザー・ハウス」出身バンドに迫る〜)

たなべ:最初だからスカスカだったけどね(笑)。
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全員がアイディアマン 企画は出せるだけ出す

――そこから今は、非常に勢いのあるバンドになっていますね。MV公開はもちろんですが、SNS上で抽選会やダウンロードカードプレゼントなどの企画を行っていて、それがかなり盛り上がっている。アイディアは誰が出しているんですか?

たなべ:みんなが、こういうことやったら面白いんじゃないって感じですね。

大樹:企画を出して、修正しながらブラッシュアップしていく。なるべく質の高い企画にしようとしてます。

奥山:企業みたいな感じですよ。全員がアイディアマンなので、出すだけ出して、これはボツだよねって(笑)。とりあえず言っとこうみたいなスタイル。

――いつもスタジオ後とかに会議するんですか?

大樹:そうだね。スタジオ前とかに早く集まって会議したりとか。

奥山:ラインでもアイディアぐらいだったら出すかな。

――どの企画が一番印象に残ってますか?

奥山:俺は大抽選会の反響がデカかったから「こんなに反応があるんだ」って思いましたね。最初はサイン入りのミュージックカードを10名様にプレゼントするって企画で、「30人ぐらいリツイート来ればいいよね」って言ってたのに、思いのほか70、80RTぐらい来たんですよ。そこから100RTいったら面白いことしようって決めて、結果的に達成できました。考えて実践すれば、これだけ結果が付いてくるんだというのは実感しました。そういう意味では思い入れが深いイベントですね。

――RTをうまく使っていてtwitterの特徴を生かした内容だったと思うし、見ているこっち側も「次は何してくれるんだろう」みたいな楽しみ方も出来ました。

たなべ:twitterはダイレクトに反応がくるから、こっちも楽しくて。

奥山:お客さんとこれからもそういう関係を続けていきたいですよね。

――最近もCMを作られて。

大樹:可愛い声で(笑)。

奥山:僕は毎日聞いてます。癒されてます(笑)。

――twitter内CMって企業の広告にはあるけど、バンドでやっているのは斬新ですよね。さくっと見れるのはいいです。

 

ハートフルなバンド 自分が出会いたかった人と出会えたかもしれない

――今回3曲リリースされるということで、それぞれがどう作られたかを聞かせて頂ければと思います。先ほどたなべさんが重過ぎず、綺麗過ぎずと仰っていましたが、全曲通してそれを感じます。あと、1曲目の「さよならエイミー」は〈ハートフルに憧れてる〉というワンフレーズを聞いただけで耳なじみがすごい良い。メロディーセンスを感じましたね。

奥山:メロと歌詞を大事にしようと思って作った曲でした。オズの魔法使いについて書いた曲なんですが、エイミーという女の子と、心を閉ざしたブリキが出てくる。この話を今の僕たちに置き換えて、エイミーが障害を乗り越えていくのと同じようになれたらと。

――奥山くんの曲ってファンタジックだなって思うんですよ。だから素材が童話から来るっていうのはすごくしっくりくるし、それをニーチェで形にすると、勢いもあるからガツンとくる。ファンタジックさを残しつつ、可愛すぎないところがいいなって思うんです。

奥山:〈ハートフルに憧れてる〉って歌詞は、みんな感情を表に出したいけど出せない、でも出したいと思ってる時点でハートフルなんじゃないか、という意味があるんですけど、僕はそうやって同じ題材をいろんな角度から書くことが多いですね。

――奥山くん自身も、ハートフルに憧れてる?

奥山:うん。半分以上は自分自身のことを歌った曲かな。

――TRY TRY NIICHEはハートフルな人たちなんじゃないかなと思うんですけど。

奥山:ハートフルなバンドですね。すごい良い人たちです(笑)。

――最初会ったときから良い人オーラが出てるなと思って。出会うべき人に出会えたのかもしれないですよね。

奥山:そんな感じはする。

 

とりあえずやってみるの姿勢 まさに“TRY TRY”

――2曲目の「メイ」を聞かせていただければと思うのですが、そもそもこの曲はいつ頃できたんですか?

たなべ:メイは一番新しい曲ですね。逆に、「それから」は1回目か2回目ぐらいのスタジオだよね。

奥山:うん。で、エイミーは8月とか9月とか。

大樹:「メイ」は、最初おっくんがプロトタイプみたいなやつをもってきたんだけど、俺的にはJ-POP過ぎるなと思った。

奥山:すごいポップポップしちゃってて、そこで難航したんですよ。これをどうかっこいい感じに持って行くか。深夜練でしたよね。4、5時間かけてほぼほぼできた感じ。

たなべ:なんとか形にはなったよね。めっちゃ疲れてた。それは覚えてる。

――1日でばっとできちゃうんだ。

奥山:スムーズにいくときは早いよね。でもだいたい平均して1曲につき5、6時間だね。

たなべ:さくさくっと最後まで作っちゃおうって感じだよね。細かいところは持ち帰って、2回目のスタジオでは完成に持っていく。

大樹:あとは現場で言い合って、これどう?じゃあやろうってやって、違かったら違うって、良かったら採用で、どんどんブラッシュアップしていく。
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――どんどん出してく感じで?

大樹:はい次、はい次って言って(笑)。検証バンドだと思う。

奥山:とりあえずやってみるの姿勢ですよね。

ゆーみん:TRY TRYですね(笑)。

――曲にしても企画にしても、どんどん出していくスタンスですよね。活動のスパンも7月に初ライブをして以降、9月に企画、11月に企画って2ヶ月に1回は何かしら仕掛けている。やっぱりそれもトライじゃないですか。

奥山:バンド名はそれとは関係なく付けたんですけど、意図せずトライしてますよね。
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