ermhoi 初ソロ作品『Junior Refugee』 自由奔放にジャンルを超えた宅録サウンドの行き先

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親友が見つけた表現と共に制作したMV「Why?」

——今作では、4曲目にMVとなった「Why?」もあります。映像も表題の通りミステリアスな雰囲気があって、森の中に迷いこんでいくという。これはどういう経緯で作られたんでしょう?

大学時代の親友だったAsakoという子が、去年に入って映像を撮り始めたんです。知り合った時から「この子はかなり変だ」と思っていたんですけど(笑)、特に自分で何かを作るということはしてこなかったんですね。でもようやく映像で自分を表現できるようになってきて、応援していたんですけど、Music Videoを作りたいと言ってくれて。私の音を聴いて彼女が思い浮かべたシーンを再現するという形で制作していきました。スタッフは私とAsakoとカメラマンという、小さいクルーで作りました。作っている時から「これはすごいものが出来るんじゃないか」と思いましたね。それぞれが熱意すごかったです。私はただ言われたことを演じるだけだったんですけど、Asakoが持っていたイメージに共感出来る部分が多くて、世界観に入り込めました。

——Asakoさんの中でどんなイメージがあったんでしょうか?

実際、言葉を介して指示があったわけではないんです。私の解釈では欲求不満な主婦の平日なんですけど、その女の人の頭の中では日常の問題をおとぎ話チックに描いていると思っていて、自分を魔女、むしろシャーマンみたいな存在に思っている。彼女はちょっと変な解釈の仕方をして問題が深まっているから、自然の中に行って精霊と戯れたりしているんだろうなと(笑)。あれ、実は私の実家なんです(笑)。

——え、そうなんですか!

はい(笑)。すごく気に入っているんですけど、木造で、小物とかも全部実家ので…良さがちゃんと出ていたのも良かったです。中間部に出てくる高架下はAsakoが気に入っている場所で、そこにいるだけでSF感を味わえる。踊った時も空間のおかげで入り込めちゃって、不安も特になく「これでしょ」ってなりました。

——あの高架下もご近所ですか?森は?

いや、高架下は都内ですね。森は実家の近くです。

——じゃあお住まいは自然が近い?

はい。山の奥というわけではないんですけど、街から山に向かっていく途中にあります。散歩に行くと気持ち良いですよ。

——自然が近い環境にいた影響ってあります?

あると思いますね。東京に来て5年経つんですけど、私はコンクリートからは何も感じられなくて…木は本当にすごいですね。都会、建物、人って、それぞれ持っている圧力が他の圧力を押し返して充満しきっているなと思うんですけど、そんな時に森に行くと吸い込んでくれるんです。軽くなりますね。できれば森の近くに住みたいですけど(笑)、難しいですよね。

——今作は圧力に反発するというよりも、自由というか、もし対象があったとしたらそこに深まっていく印象がしたんです。だからご両親やご友人、育ってきた環境が関係しているのかなと。

そうですね、自由な空間にいたいですね。昨日、全感覚祭っていうイベントに遊びに行ったんですけど、その環境が超ヒッピーっぽくて(笑)。踊ってばかりの国とか、テニスコーツとか、どついたるねんとか、青葉市子さんとかも出ていました。みんな一人一人がバラバラなんですよ!古着屋さんが横でお店を開いていたり、隣で絵を描いて貼っていたり、服装も自由だし、制度とか全部無視したい人がいっぱいでした。しかも投げ銭制なんです。場所も、多摩センターの上に原っぱみたいなところがあって、何故かヤギがいて(笑)、その上の広場でやっていました。こういうイベントがあるって知って、すごく嬉しかったんです。大きいスポンサーが付いて、外でどーんってやるのが今のスタイルだと思っていたので、小規模なところに大勢のミュージシャンが来ているのが、みんな楽しみたいからここにいるってすごく伝わってきました。
超居心地良かったです。

 

アフリカの楽器”コラ”に夢中 ステージでは多種多様な楽器を操る

——ermhoiとしてはそういうイベントに出たり、自分が作られたり、今後の予定はいかがですか?

2予定はライブハウスで1人で演奏するスタイルが多いんですけど、希望としては昨日の影響もあって、野外やりたいなと思いました。今いろんな人とコラボレーションしたバンドをやっていて、バンド編成で自分の曲をやるっていう新しい体験をしているんです。それをもっと深めて、オリジナルのサウンドを作っていけたらと思いますし、いずれは野外で、最高のシチュエーションでやってみたいですね。

——1人のライブはどんなスタイルでやられるんですか?

今はPCから主な音源を流して、キーボードをつないで音を加えたりとか、あとはウクレレを弾いたりトランペット吹いたりとか、自分ができることを最大限に生かしてるつもりです。あわよくば、パソコンをなしにして出す音源は全部サンプラーにしたいですね。そこにアコースティックを足してやってみたいです。

——ステージ上はウクレレやトランペットがあってと、賑やかな感じでやっているんですね。

ごちゃごちゃしていて、欲張りなのがバレちゃってる(笑)。

——それだけ多彩にこなせるからこそだと思うし、いろんなものの良さを全部引き出せるのも魅力だと思います。

まだそれぞれの技術が全然なので、早く上手くなりたい(笑)。楽器も増やしていきたくて、今アフリカの弦楽器のコラっていう楽器にハマっているんです。まだ楽器自体は持っていないんですが、ワークショップに参加したり、昨日と一昨日は合宿に行って来ました。琴みたいな音にちょっとノイズが混じってて、1200年、1500年前から代々受け継がれてきた曲をやってるんですけど、リズムがすごいんです。モダンなんですよ。音階も穏やかで、それを歌いながら演奏する。いつかマスターしてライブでできるようになったらいいなと思います。

——今後の目標としては、ありとあらゆる楽器をステージの中で表現できるように。

そうですね。あとはいろんな人とやってみたい。いろいろ試していきたいですね。

——では最後に、聴きどころを教えていただけますか。

情報量がかなり多くなってると思います。かなりの音の重なりと、不完全な部分や、曖昧な部分が残っている様子など、細かい所まで是非聴いて欲しいと思います。


▶️プロフィール
ermhoi( エルムホイ )
1992 年山梨県出身。昨年末の六本木スーパーデラックスでのワンマンには 100 人以上の観客を動員するなど、若手再注目バンドとしても有名なジャズ ポップバンド「Mr.Elephants」の紅一点ヴォーカルとして活動中のエリンのソロ名義。幼少期より親しんできたジャズと洋楽インディーに裏打ちされた、 抜群のメロディセンスとピッチの良さは良さは近年稀に見る逸材。トランペットの演奏もこなしながら、自身で打ち込みをベースに楽曲を制作するなど、 その才能はとどまるところを知らない。アートワークも彼女自身の作成によるもの。

▶️リリース情報
『Junior Refugee』
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2015年12月16日 発売予定
Salvaged Tapes Records / SVTP-003
¥2,000(税抜)
(歌詞対訳DLコード封入)
1.Call South Shofar
2.Second Thought
3.Glamorous R
4.Why?
5.I’ ll never
6.Deets
7.The Third Eye
ビョークやジョアンナ・ニューサムを継承する芸術性と、ジュリア・ホルターに匹敵する先鋭性。
新世代エクスペリメンタル・ポップの大型新人ermhoi(エルムホイ)の衝撃のデビューアルバムが完成。

▶️関連リンク
Salvaged Tapes Records OFFICIAL HP