Wasalabo. 切なさへの志向と4人の絆の邂逅が生んだ、一生ものの音楽――2nd mini album『Epiphany』インタビュー

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直感的に出てきたものが集まっているから『Epiphany』

――では、ここからはアルバムの話に入っていこうと思います。今回のアルバムのタイトルが『Epiphany』なんですが、その言葉の意味を調べてみると、「公現祭」という、イエス・キリストがこの世に誕生して、不思議な力を人々に示した日を祝したイベントのことだと出てきたんです。それが今のWasalabo.の状況にすごく合ってるなと個人的に思っていて。というのも、イエスが世に出て力を示したように、Wasalabo.ももっと多くの人の前に出て音楽を広めていくんだなって思ったからなんです。実際のところ、なぜこのようなタイトルをつけたのでしょう?

riri:その「神の啓示」っていう意味もあるんですけど、それ以外に「日常の中での、直観的な真実の把握」とか、「本質の突然の顕現」っていう意味が日本語訳にはあって。村上春樹さんがご自身の書籍の中で「小説家に僕はなるんだ」って決めた瞬間のことを書いていて、そこにその言葉がちょうど出てくるんです。だからキリスト教的な意味というよりかは、ひらめきや直感っていう意味を重視しています。今回、そうした直観的なひらめきを重視した曲が集まっているので、『Epiphany』というタイトルをつけました。

――このアルバムの1曲目の”morning glow”は、まさにこの作品を象徴するにふさわしい、「始まり」を予感させるような曲だと思いました。”morning glow”=朝焼けということで、ピアノの音色に太陽の日差しのような暖かみがあるのが印象的です。

杉山:もともとはボーカルが入ることもそんな考えてなかった曲だよね?

ミオ:考えてなかった。タイトルも決まってなかったので、「イントロダクション」って呼んでいて。だから後から朝焼けだって聞いてびっくりしました。曲を作ったのはririで、歌詞をつけたのは私なんですけど、すごい寂しい歌詞をつけちゃったんです。

――今までずっと、歌詞はミオさんで音はririさんなんですか?

杉山:基本的にはそうかな。

riri:私には2通りの曲の伝え方があるんです。漠然とサウンドだけがあった時に、それ単体をいきなりミオに送るという方法と、歌詞付きでミオに送って、それをミオなりの解釈でブラッシュアップしてもらうという方法です。”morning glow”は前者です。歌詞は寂しい意味合いにはなっているけれど、歌が入ることによってまとまりのある作品になったと思います。

――次の”カサブランカ”はダークな感じで、切なさとハッピーの2層で構成されている前作『ハルアカネ.ep』(2013年にリリースされた1st mini album。現在は廃盤となっている)にはなかった感じだと思いました。ミオさんは”カサブランカ”の音をもらってどういう歌詞にしようと思ったんですか?

ミオ:私恋愛の歌ってこっぱずかしくて書けないんですけど、今回は海沿いとか南の方の恋愛の話っていうテーマを決めて作りました。

――なるほど。個人的に、Wasalabo.の曲ってノスタルジーに溢れているなって思うんですよ。”カサブランカ”もそうで、昔の記憶を辿るような感じがあって。それはいったいどこから出てくるのかなって思ったんですが。

ミオ:物語のような歌詞が好きなんです。歌詞カードを見るとかぎかっこがついてたりして、台詞っぽいのが入っています。歌詞だけ見ても情景が浮かぶようなものが好きなので、もしかしたらノスタルジックに捉えられるところもあるかもしれません。

杉山:作っている側としては、ノスタルジーをあまり意識したことはないのですが、そう感じてもらえるところがあるなら嬉しいですね。

 

個々の楽器が目立つ曲もWasalabo.は得意なんじゃないかな

――次の”這う夜”は、サウンドが攻め攻めな印象を受けます。イントロのベースも炸裂してますよね。

杉山:あれはもう完全にtightに好きなことをしてもらってます。個々の楽器が目立つ曲もWasalabo.は得意なんじゃないかなって思って作りました。歌ものもいいんですけど、それと半々くらいで、ああいうノリも出していけたらなって思っています。

――この曲のサウンドは、杉山さんが作ったんですよね? 他のみなさんは、最初この曲が来た時どう思いましたか?

ミオ:変化球来たなとは思いました。

tight:ミオとriri、自分と杉でやる音楽が大きく違うんで。誰から何がでてくるかによって、どっち寄りに作っていくかを考えることがけっこうあります。”這う夜”は完全に自分たち側に合わせてきていますが、”水の器”とかはミオとririに合わせて、邪魔をしないで支える側に回りました。その真ん中を突いてきたのが”カサブランカ”です。

ミオ:確かに”カサブランカ”は真ん中かも。

tight:それはririがこっちのリズミックに突っ込んできた曲を出してきたんで、そういう風に仕上がっているんです。