Wasalabo. 切なさへの志向と4人の絆の邂逅が生んだ、一生ものの音楽――2nd mini album『Epiphany』インタビュー

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どうしようもなく切ないことを歌いたいのが一番にある

――最後の”水の器”なんですが、これはかなり前からライブでやっている曲ですよね。この曲、今回ちゃんと聴いてみて、歌詞がすごい内情的というか、心情を露わにしている曲だなと思ったんですが。

riri:サビは私が昔作ったのとあまり変わっていないんですが、ミオがもっと広い世界観で作り直してくれたんです。

ミオ:メロは私寄りになっている感じで、サビはほとんどririちゃんです。おおまかには変わってないですけど、細かい所は作り変えていますね。

――”水の器”は故郷への思いが書かれた曲だと思っていまして。〈どこか遠くで鳴り響く街の歌に耳ふさぐ〉っていう言葉もありますし、都会から故郷を思う歌なのかなと。繰り返し出てくる〈水の歌〉も、故郷につながるワードのように感じられます。

ミオ:確かに”水の器”は〈故郷〉って言ってますね。私故郷がすごく好きなんですよ。だからそれが出ちゃっているんだと思います。

――だから”水の器”は故郷に帰りたいっていう歌なのかなって思ったんですよね。

ミオ:そうですね、基本的に家に帰りたいっていう気持ちはいつでもあります。あと、生きてたらすごく切ないことがいっぱいあるじゃないですか。家に帰りたいとかもそうだし、恋愛において誰かを好きっていう気持ちもそうだし、家族が好きっていう気持ちもそうだと思うし、どうしようもなく切ないことっていっぱいあると思うんですけど、それを歌いたいのが一番にあるんです。だから”這う夜”も都会の歌だけど、今あなたが悩んでることとか、どうしようもなく大変なのはわかるよ、みたいなことを言いたくて。大前提にそういう切なさがあるから、先ほどおっしゃってたノスタルジーみたいなものが出ちゃうのかなって思います。

――キーワードとして「水」っていう単語がたくさん出てきますけど、これはなぜなんでしょう?

riri:そもそも”水の器”っていうのは、学名でアジサイのことなんです。私の中でイメージしている風景があって、その風景を恋焦がれてるっていうのがあって、それをミオがよりノスタルジックにしてくれたっていう感じです。自分も故郷が好きで、そういう風に歌詞ができあがった時にはすごいマッチしてるなって思いました。

 

こういう世界も作れるかもしれない、と思えた

――なるほど。ちなみにこの曲って、前”エノンのやりたい放題(indigo la End/ゲスの極み乙女。の川谷絵音によるイベント。ミオとririの2人がWasalabo.として出演した)”で演奏されていましたよね? その後、何か反響はありましたか?

ミオ:ツイッターで「よかった」って言ってもらったりはしましたね。

riri:”水の器”をやったとき、もとの調よりも上げたんですよ。そうしたら、ミオの歌声の新しい一面が聴けたんです。透き通る歌声になっていたんですよ。だからそういう新しい歌声が聴けたっていう意味では、自分自身への反響があったなと思います。

――あのイベントの中でWasalabo.として出演してみてどうでしたか?

ミオ:あんな大きいところでやったことないし、その中で2人だけで演奏するっていうことへの不安はやっぱりありました。でも応援してくれる人たちが周りにいて、その中でオープニングアクトみたいな形でやらせてもらえて。若干プレッシャーもあったんですけど、やってみたら単純に楽しかったです。こういう世界も作れるかもしれないというか、なんとなくWasalabo.ってこうやって音楽をやっていったらいいんじゃないかな、と思えました。

――今の音楽でもやっていける、間違いない、という確信を得られたということですか?

ミオ:なんて言うんだろう……別に自信がついたとかそういうことではないんです。あの大人数の前なのに、ノれる曲をやったわけでは全然ないし。

riri:そうだね(笑)。

ミオ:オープニングなのにノれる曲をやったわけじゃ全然ないし、みんな静止して聴いているんだけど(笑)、でもそれが逆によかったし、これでやっていいのかもしれないっていう気持ちにはなった。2人(tightと杉山)が作る曲は体が動く感じの曲だけど、そうじゃない曲もWasalabo.にはいっぱいあるから、やっぱり不安になっちゃうときがあるんです。でもあの時はこれでいいんじゃないかなって一瞬思えたんです。それが”エノンのやりたい放題”でしたね。

 

メンバー4人が一生ものの音楽をどう分かち合っていけるか

――最後の質問なんですが、これからバンドとしてどういう位置にいきたいとか、そういうビジョンはありますか?

杉山:今後も4人で4人にしか作れないものを作ればなるようになるかなって思っています。現に今4人でやっていて応援してくれる人がいて、自然とホームページを作る流れになって、いつのまにか企画をすることになっていますし。WaSabiのときはボーカルとピアノに乗っかろうって思っていたんですけど、今Wasalabo.の4人の形になって、2人(ミオとriri)に乗っかることもあるけど、ただ乗っかるだけではなくて4人それぞれで考え始めてきたから、さらなるバンドの可能性が見えてきているんです。

――いいムードになっているんですね。そういえば来年って結成5周年ですよね? 具体的に何かやりたいことはありますか?

杉山:ひとまず、曲をいろいろと増やしたいなっていう話は出ているので、おそらく曲を作る期間に入ります。

ミオ:セトリを一新できるくらいのね。

riri:4年目って聴くと長いイメージがありますけど、杉が1年間休んでて、復帰してっていう感覚が今の4人にはあって。だからこのアルバムを作ってライブするっていうのがすごく新鮮というか、新しいスタートを切ってるような感覚が自分にはあります。私は音楽は一生ものだって思っているんですが、だからこそメンバー4人が一生ものの音楽をどういう風に分かち合っていけるかを考えて、長く続けていけたらいいなって思っています。


▶プロフィール
Wasalabo.
wasalabo
(左から)tight(Ba)、riri(Key)、ミオ(Vo)、杉山タカアキ(Dr)
何気ない日々の中で生まれる感情。その様々な感情を音楽で表現する。繊細な旋律を奏でるピアノに対するファンキーなベースとドラム。これをボーカルがまとめ上げる。心がしめつけられるような切なさ、体が自然と動き出すような楽しさ、様々な感情をWasalabo.をとおして体感してほしい。

▶リリース情報
2nd mini album『Epiphany』
2016年7月9日発売
600円(税込)※ライブ会場限定販売
1.morning glow
2.カサブランカ
3.這う夜
4.水の器

▶関連リンク
Wasalabo. Official Web Site
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