水槽のクジラ『開け放つ窓』の先にあるもの

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水槽のクジラの1stEP『開け放つ窓』が、2014年4月25日(金)に下北沢MOSAiCにて行われる自主企画「才能」から発売となる。水槽のクジラの音は実直だ。粋な言い方をすると、ピュアなのだ。だから痛みも感じるし、優しさも感じられる。そんな彼らが音楽を鳴らし出した始まりの話から、『開け放つ窓』の外に飛び出そうとしている現在まで、メンバー全員に聞いた。

取材:加藤彩可


最初はコピーバンドだった

—そもそも水槽のクジラはどのようにして集まって出来てきたのでしょうか?

西田諒平(vo/gt):いきさつの、元の元と言えばコピバンですよね。

原田貴彰(gt):そうだね。コピーバンドをめっしゅ(西田)とわっきー(大橋)とやっていて。

原田:最初のドラムのけんさんと、俺とめっしゅで「とりあえずセッションしようよ」みたいな感じで集まって。

—大橋さんもいて?

原田:わっきーはそのセッションの時はいなくて、男性陣3人で盛り上がって。いい曲出来たっていうか、「あれ ? よくない ? 」みたいな。それで、ベースどうしようってなって。「じゃあ、わっきー呼ぶべ」って。そしたら「うん」って言って(笑)。

大橋輪希(b):「うん」ってね(笑)。

西田:それで2012年の6月から、ちゃんと練習って形で入り始めて。それで8月に初ライブです。同年8月ってやつです。

—8月にライブをした時には、もう曲とかは作ってやっていた感じだったんですか?

西田:そうですね、1番最初にデモで録った4曲だけあってやってみた感じでしたね。もう初ライブ感が半端なかったです(笑)。

原田:初ライブってあれだよね。山本さんと。

西田:そう、吉祥寺warp。その時pegmapってバンドのボーカルの山本さんという方が急遽弾き語りでやることになって。個人的には相当リスペクトしている方なので、「あわわ ! 」って(笑)。warp向かうまでの電車の中でケータイ見たら「今日warpで弾き語ります」って書いてて、「え ? 嘘 ?」って(笑)。

原田:ライブ中、MCで何回pegmapって言ったか分からないくらい(笑)。

—その後、今に至るまではどうでしたか?

西田:その後は9月にデモを作ろうって言って作って、10月からまたライブを始めてって感じ。それで11月くらいにドラマーのけんさんが平行してやっていたヘンリーってバンドをクビになってしまって、「うあぁ ! 」ってなっていて。こっちも「どうするんだろう」って思っていたら結局クジラも辞めることになって。年内までは一緒にやって、それが2012年の出来事です。それで2013年1月から、おがちゃん(小川)です !

小川裕樹(dr):わたくしです。

—小川さんとの出会いは?

原田:俺が高3の時におがちゃんが高1で、同じライブハウス、本八幡サードステージに出てて、そこから。その時俺はギターボーカルのバンドだったけど、辞めてpapersyndromeやってた時もおがちゃんのバンドを企画に呼んでいました。それでけんさんの最後のライブを「おがちゃん、ちょっと見に来い ! 」って(笑)。

小川:見に行きました。

原田:それで「やりたかったら一緒にやろうよ」って言って、スタジオ入って。

小川:「是が非でも、やってやりてぇ ! 」ってなりました(笑)。

—水槽のクジラというバンド名はどこから?

西田:これは前ドラマーのけんさんが「本の名前がバンド名ってよくない ? 」って話していて、候補に村上龍の『歌うクジラ』という本が出て。これはうちの曲名にもなっているんですけど。でもこれ2011年の本なんで「古くないんで ! 」って(笑)。「確かに新しいのは嫌だな」と思ったけど、「なるほど、クジラという語感はいいんじゃないか」と思って、結果こんな感じになりましたね。

曲作りに関しては、やっぱりドラムが肝だと思う

—水槽のクジラというバンドは楽曲に一貫したテーマがある印象があって、「感傷と後悔」「浮遊と轟音」「希望の歌」という言葉もプロフィールに書かれていますが、今回『開け放つ窓』というEPも出る中、曲は西田さんが持って来て作るんですか ?

西田:大体、コードとメロはそのパターンが多いかな?

—今回のこの6曲は、それ以外のパターンもあったんですか?

西田:曲で言うと、再録3曲っていうのはそうです。持って来たコードは俺ですけど、かなりセッションで馴染ませたみたいな感じが強いですね。

—逆に今回から録った残りの3曲とかはどうですか?

西田:“顔”と“知らない雨のこと”はかなり僕発信で出来た曲で、“許される”って曲はたっきーがギターのコードを持ってきたところから始めて。“許される”は初期に作った感じとはまた違うものになりました。やっていくうちに段々感覚が違って来ているんだなと思います。

—では、曲を作る時は1人ではなく、誰かが持ってきたものに柔軟に乗っかっていって詰めていくんですね。

原田:でも僕の場合は好き放題やって、好き放題やると「…ちょっと」って(笑)。「じゃあ変えます」みたいな(笑)。

小川:僕のドラム単体の好みと水槽のクジラの曲としての好みって、最初の頃とかは全然把握してないから好き放題バーッみたいにやったら「かっこいいけど曲と合ってないよね」って言われて。曲と合ってないのは確かにそうだなって。

西田:けど、一年経ってやっぱり馴染んだなっていうのがあります。アレンジに関して、曲作りはやっぱりドラムが肝だと思うので。そこで引っ張ってくれるのは本当にいい。僕なんて結構「ドンジャン ドドジャン」みたいな(笑)。あんまり難しいものを考えられないので(笑)。だから深みが出ているのは、おがちゃんのお陰なのでしょうかね。

—ちょっと意外でした。基本的に西田さん中心だと思ってて。

西田:今の雰囲気と近いのかな。この喋っている感じ(笑)。わっきーは割と静観している(笑)。

原田:スタジオとかも確かにそんな感じ(笑)。

—歌詞はいつ付けますか?

西田:歌詞は最近は家で練ってて。スタジオで仮歌詞とも言えない状況で歌ったりするじゃないですか。それが元になっていて。それを引っ張っている感じで当てているというか。

—では、最終的に曲がもうほとんど固まってきた上で歌詞も固まってくるみたいな感じで。

西田:みたいな感じではありますね。