nameshop「光のホール ワンマンライブを終えて」

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ミュージシャンをアーティストと呼ぶことには賛否ある。しかしバンドメンバーに絵描きを加えた編成でライブを行うnameshopは、間違いなく表現者であり、芸術家であり、アーティストである。彼らは2014年3月13日に東京都三鷹市にある三鷹市公会堂光のホールでワンマンライブを行った。ライブハウスではなくホールを選んだ理由、ワンマンに対する細部まで行き届いたこだわりとは。今回はnameshopの生い立ちからワンマンまでの流れについて、柳澤澄人(vo/gt)と渡部かをり(b)のインタビューを行った。

取材:真野竜哉


nameshopに触れた時に、親子愛のような安心感を与えたい

—nameshopというバンド名には意味がありそうだなと前から気になっていたのですが、教えていただけますか?

柳澤澄人(vo/gt):よく売名屋さんと言われる事が多くて、みんなに「名前売ってるんだね ? 」なんてよく言われます (笑)。でも日本的な良い由来があるんですよ。そもそも音楽をやっている理由は「音楽が好きだ ! 」という感じではなくて、“音楽で人の人生を少しでも前向きに”とか“弱ってる人に少しでも手を差し伸べたい”とかそういうスタンスなんです。何故音楽をチョイスしたかと言うとタイミングで、 自分が学生時代に軽音楽部に入っていて音楽をやっていたから。「サラリーマンじゃ世界は変えられないな」と。結婚する相手一人ぐらいの世界なら変えられるかもしれないけど、不特定多数の人の世界を変えるには何か表現者でなければいけないなと。nameshopは俺が高校2年で出来たバンドで、当時勉強していたテーマがあって…。

—それはどんな勉強をしてたんですか?

澄人:学校の勉強ではなく独自に学んでいた事なんだけど、高校の授業のひとつで取り上げられた「日本の自殺者数」について着眼した。豊かで恵まれていて、安全で治安も良い国のはずなのに、一年間で戦争よりも多くの人が自分で命を絶っているという現実がどうしても腑に落ちないところがあって。一日100人近く人が死んでいて、年間3万人が死んでいる。それが凄く疑問で「どうしてその数字が生まれるんだろう ? 」って思って、それは変えなきゃいけないって思ったんだよね。なんで自分でそういう人生をやめちゃうんだろうなって思った時に、自分はそれをまったく思わなくて。逆になんでやめないんだろうって考えると、やっぱ1人じゃないってことなんですよ。周りに友達がいて、家族がいて、愛されて、大切にされて、一緒に暮らしていたりとか遊んでいたりとかが当たり前のようにある。当たり前じゃない人達にとって生きている世界は凄く辛いものなんじゃないかなと、自分の中で達して。もうちょっとピースフルで愛情溢れる世界だったらそんな事にはならないって思ったんだよね。じゃあその「愛されるとは」って考えた時に、俺は男女愛よりも先に“親子愛”が出てきたんだよね。うちは家庭的には恵まれた家で、一人っ子で両親がいて、しっかりと良い教育を受けてきたから、一瞬も死のうなんて考えなかった。そういう親子愛みたいな愛情をnameshopで提供していきたい。nameshopの音楽に触れることによって親子愛に触れた様な安心出来て、自分を肯定できる場所にしてほしい。親子の愛情ってどのタイミングがMAXかなって思った時に、生まれた瞬間が僕はMAXかなって思っているんだよね。

—なぜ生まれた瞬間がMAXだと思うんですか?

澄人:お母さんが苦しんで、オギャーって生まれた時にそりゃもうとんでもない母性が湧く訳じゃない ? その瞬間って生んでよかったなと思う訳で、これから「どういう子になってほしいか ? どういう人間として生きてほしいか?」そういう意味を込めて名前をつけるじゃないですか。こういう子に育って欲しいと思って、名付ける行為が一番の愛情表現なんじゃないか。そこから生み出されたのが、nameshopなんだよね。 だから厳密に言うと売名屋では無くて、命名屋なんだよね(笑) 。