ライブハウス特集 Vol.4 「mona records」

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mona recordsは下北沢駅南口から徒歩1分のところにある、おしゃれで居心地のいいライブハウス。今回はスタッフの佐々木歩美さん、坂本正樹さんのお二人にお話を伺いました。


――どんなライブハウスですか?

佐々木歩美:今年で(オープンして)10年目で、初期はジャンル的にはアコースティックでやられているアーティストさんを中心に出演してもらっていました。今は3階の方にライブスペースがあるんですが、5年目までは内装を全部入れ替えて、カフェの後ろの座席の方でライブスペースを展開していました。そして5年目以降は3階で展開するようになって、そこでジャンルを少しずつ広げていったんです。現在は、今年(2014年)11月にお店自体を立ち上げた店長のユキタツヤが退職して、そこから新たに展開していこうとしている最中です。

――mona recordsには、ギャラリー、カフェ、CDの大々的な展開などがありますが、なぜこのような内装になっていったのですか?

坂本正樹:僕が前店長から聞いたのは、「ライブに行く立場の中で、立ちっぱなしで聴くだとか、暗い中で聴くだとか、そういう選択肢しかないのが嫌だなって思った。居心地がよくてリラックスできて、フードも簡易なものではなくておいしいものを食べたい」っていう気持ちがあったということです。そういう常識にとらわれないで、美味しいごはんや快適なライブスペースを提供していきたいという思いがあったようですよ。

――それを下北沢というライブハウスの激戦区で行っていたのは、「ライブハウスの従来の在り方」のようなものに対するカウンターのようにも思えるんですが。

佐々木:(オープン)当時はアコースティックのライブをやっているところが少なかったんです。特に下北にはなかった。今はちょっとずつ増えていますけどね。そういう意味合いもあったのかなと思います。

坂本:だから下北沢という、ライブハウスの文化のある場所に一風変わったものを取り入れた感じだと思うんです。カウンターというよりは王道のところに見方の違うものとして入ってきたのではないでしょうか。

――mona recordsではレーベルオーディション(※)も行われますよね。そこまでやるライブハウスも珍しいのではないかと思うんですが、アーティストをここまでプロデュースする理由は?

佐々木:mona recordsとしての自主レーベルは最初からあったんです。その中で初期の店長が抱えていたアーティストを打ち出していったんですけど、そこからさらに広げていってオーディションを開催することになって。

坂本:今CDのセールスをあげているアーティストだけじゃなくて、良いアーティストが潜在的にいるというのが前提で、そこを打ち出してサポートしてあげたいっていう気持ちがあります。大きな費用がかかるのをmona recordsがレーベルとして打ち出してあげて、チャンスを与えてあげて、一緒に頑張っていきたいんです。

※『モナレコードレーベルオーディション』。「インディーズのアーティストにCDデビューのチャンスを掴んでもらおう」という思いでmona recordsが独自に開催しているオーディション。
レーベルオーディション特設サイト

――mona recordsさんのレーベルから輩出されたアーティストを教えてください。

佐々木:初期だとビューティフルハミングバードさん、最近だとShiggy Jr.ですね。一番(ヒットが)大きかったのはShiggy Jr.で、彼らは第3回オーディションで優勝したバンドです。

坂本:(Shiggy Jr.は)うちで出したファーストアルバムをメディアの方とかに拾ってもらったんです。やはりCDを出したっていうのが重要なことで、そこから広がっていったので、そういう意味では成功というかやりたかったことができてるんじゃないかなって思います。

――Shiggy Jr.は今音楽シーンでも話題になっていますが、彼らのようなアーティストを、ライブハウスとしてどこまでサポートしていきたいですか?

坂本:これはライブハウスの大きさだったり、事務所の人数の問題だったりしますけど、やはりずっとうちが抱え続けることはできないですね。でも仲良くしたいし今後も応援していくので、その中でたまに(mona recordsに)出てもらったりだとか、あとコラボカフェ(※)とかもやってるので、ゆるいつながりでも長くつながっていければなって思います。

※Shiggy Jr.がグランプリを受賞した際、mona recordsのおんがく食堂ではShiggy Jr.とのコラボメニューが発売された。

――いつでも帰ってこれる家のような。

坂本:そうですね(笑)。でもいつでもいますよ。よく作業してます。

――先代の店長さんがこのライブハウスを立ち上げられたんですよね。ここまで個性のあるライブハウスを立ち上げられたということは、相当発想力のある人だったんだろうなぁと思うのですが。

佐々木:はい(笑)。アイディアマンでした。店長がアイディアを出すと、それがシーンのトレンドにパンッとはまるんです。5、6年前はもうどんぴしゃでしたね。「この音源がいい」と言えばそれがはまっていってました。

――アンテナを張っていて、音楽的なセンスをお持ちの方だったんですね。

佐々木:そうですね。もともとはタワーレコードのバイヤーをやっていたので、センスはすごいと思います。

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――店長さんが退職された今、mona recordsを今後どういうライブハウスにしていきたいとお考えですか。

坂本:mona recordsとして10年間続けて来たんですが、僕らがどうこうじゃなくて、出てくれている出演者の方とか、来てくれているお客さんのおかげである程度mona recordsらしさっていうものができ上がっている感じなんですよ。それは創業を店長がやってたからとかじゃなくて、来てくれる人が作り上げてくれたものなんで。それはこのままカラーとして残しておきたいですね。あとはせっかく若いスタッフが入ってきているので、新しい風というか、みんなでアイディアを出しあっておもしろいことを継続していけたらなと思います。

佐々木:インディーズのシーン的に今シティポップが見直されていて、ポップスの波が来ているところなんです。今までうちに出演していたりして関わりがあった人たちもそうですけど、(まだmona recordsに出演したことのない)新しい人たちにも出てもらえるようにしていきたいです。

――今のインディーズシーンの中で、おすすめのバンドはいますか?

佐々木:個人的には前回(2014年)のオーディションで準グランプリを獲得した、元カラシゴロシの堀田興樹くんです。年内中にうちのレーベルからCDをリリースすることが決まっています。

坂本:個人的な好みですが、先週ライブに出てくれたチヂマツミキさんです。福岡出身の方なんですけど、縁があってmona recordsに出てくれて、そこで初めてライブを観たんですけどすごく良くて。そのまま物販のCDを強制的にもらって(笑)、今店内で展開させてもらってます。でもまだ彼らもほんの一部で、他にもすごい良いアーティストはたくさんいて、今後も発信していくのでぜひチェックしてみてください。このタイミングでスタッフも入れ替わったので、また新しく推したいアーティストを決めて出していきたいですね。

――最後に、OTOZINEを読んでいるアーティストの方々に一言お願いします。

佐々木:CDが売れないって言われてますけど、前の店長曰くうちの売り上げの一定数はほとんど変わってないらしいので、購買層は必ず固定でいるから、いいものをちゃんと作って推していけば受け入れられると思います。評価もついてきます。自分たちの努力は大前提ですけど。だから、良いものを作っていけば大丈夫です。

坂本:うちはライブブッキングも持ち込みイベントもCDの委託販売もやってるし、いろんなチャンネルを持ってるので相談があったらいつでも来てほしいです。相談は受け入れたいと思っているので。いろんな面で相談しに来てほしいです。時間をとって、話を聴きたいと思うので。うちの出演者だけにとらわれないで、まだ(mona recordsに)来たことがないというアーティストでもうちに遊びに来てほしいです。


「アーティストの夢を一緒に叶えていきたい」という強い思いを持ち、そしてそのために様々なアクションを起こしてきたmona records。アーティスト、音楽、音楽ファンに対する愛情が深いこのライブハウスに、ぜひ一度足を運んでみてはいかがでしょうか。 佐々木さん、坂本さん、ありがとうございました!


★『第5回モナレコードレーベルオーディション』の概要

今回のオーディションは特別に外部の審査員も招いて行われるとのこと。一次選考はTwitter投票となり、投票者は各アーティストのプロフィールと音源のみで投票する。最も多い票を獲得したアーティストは自動的に最終選考に進み、その他のアーティストはmona recordsのスタッフで審査される。最終選考に進めるのは5~7組を予定しており(未定)、ライブ審査によってグランプリが決定する。なお、音楽のジャンルは不問。応募締め切りは、2015年1月20日(火)まで。
レーベルオーディション特設サイト


▶ライブハウス情報
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東京都世田谷区北沢2-13-5 伊奈ビル2F&3F
TEL: 03-5787-3326
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