ATLANTIS AIRPORT sonezakiとy0denの間 〜sone編〜

LINEで送る

top_sone

ATLANTIS AIRPORTは、センスの塊とか、才能の結晶とも評されていて、とにかく音楽的な感性が新人の中でもずば抜けているバンドだ。音楽をジャンルレスに跨ぎ、その実力から2014年にはROCK IN JAPAN出場をかけたコンテストRO69 JACKで見事優勝し、ひたちなかの舞台に立った。今作はその優勝者がリリース権を得られるということで作られた作品になる。
今回はボーカルsonezakiの視点からバンド像を探り、彼女の歌への思いやバンドとの兼ね合いについて聞くことが出来た。ブレインであるキーボードy0denのインタビューと合わせ、全2回に渡って特集する。今作のリード曲的存在「光と影の間」ならぬ、「sonezakiとy0denの間」を読者にも感じてもらいたい。

取材・加藤彩可


ある歌詞を読みながら別の歌に創作して遊んでいた

——そもそもsoneちゃんと音楽との出会いは?

sonezaki:もともと歌うのはすごく好きで、歌詞とかを見て勝手にメロを付けて歌っているような子どもだったの。ただ、学生時代はずっと運動部だったので、バスケばっかりやっていた。音楽は聴いてはいたし、図書館にCDを借りに行ったりもしていたんだけど、ずっと縁がないまま高校くらいまで来て。大学生になってからバスケはサークルくらいで出来ればいいなと思ってサークルを探したんだけど、無かったのね。だからいよいよ音楽やるかと思って、オールジャンルのバンドサークルに入ったの。で、やり出したらもっとやりたいなって思えて来ちゃって、コピーつまんないしオリジナルでやろうかなと、バンドサイトに募集を出した。

——子どもの時の歌遊びっていうのは、最初の記憶でいつくらい?

sonezaki:小学校低学年くらいの時に、アンパンマンの歌詞を見て「ふんふんふ〜ん♪」って歌っていたのを先生に聴かれたことを覚えているかな。本の裏面に歌詞カードみたいなのが付いていたんだよね。先生に「そういう歌なの?」って聞かれたけど「分かんない」って言っていた記憶がある(笑)。
IMG_1894
——じゃあ言葉に対して自分なりにメロディーを創作していたと。

sonezaki:そう。その記憶だけある。ピアノもやっていたんだけど、耳で聴いた音を、自分で覚えているものだと思って弾いていて、先生から何かと「作曲するな!」って怒られていた(笑)。歌も同じで、独自にやっちゃっていたね(笑)。

ボーカルをやるつもりはなかった こんなことになるとは!

——運動をやっている時期も音楽は聴いていた?

sonezaki:聴いていたね。かなりライトだったけど。ストレイテナーくらいまでは聴いていた(笑)。あとジュディマリとか椎名林檎とか、ブリグリとか聴いていたかなぁ。女性ボーカルが今思うと好きだったのかな。

——大学でもピンボーカルだった?

sonezaki:ピンボーカルだったね。大学入った時はボーカルをやるつもりはなくて、楽器をやりたかった。でも楽器を買うお金がなかったから「ボーカルだったらマイクあるから大丈夫だよ」って言われて、「じゃあボーカルで」って(笑)。なので、こんなことになるとは全く思わなかった。本当はシャイだから前に出るのが嫌だったの。オリジナルやりたいって思い始めたのは、震災がきっかけだったのかもしれない。あの時、めっちゃ悲しいってなったじゃん。この気持ちをどうしようって思って、ピアノ弾いてみるかって。そこでしっくり来たのかな。

——震災の時期というと、結成時の2011年ですね。

sonezaki:思い立ったら即行動だから(笑)。映画とか見ても感情移入しちゃって結構引きずるタイプだから、とりあえず自分はピアノを弾いた。鍵盤が家にあったから、こんな気持ちかなって思いながら自分の中の感情を音にしてみた。最近よく絡む人が音大の人で、理論のことを教えてもらったりアコースティックで一緒にやったりしているのね。一緒にソロの曲を譜面におこしたんだけど「4度系の曲ばっかりだね」って言われて。4度系の曲って結構悲しい気持ちになると言うか、感情的な音になるから、そういうのが好きなんだなっていうのは昔から引き継いで持って来たと思う。

y0denの意を汲みながら乗せることが向いていた

——ATLANTIS AIRPORTに入ってからの表現はどうでしょうか。

sonezaki:オリジナルがやりたくてアトランティスに入って、最初はy0denさんが作った曲をやっていた。それが「AnTi pOpARt」や「なつめいろ」だったんだけど、歌のための曲じゃないと思ったこともあったの。それで次の曲から自分で詞を付けるようになったかな。「映画の中の出来事」とかは自分で作詞したんだけど、y0denさんが作っている世界に対する歌詞みたいな感じで、半分自作、半分リミックスじゃないけど、そういう感覚で作っていた。最近になって私はオリジナルで作るよりは解釈とか、意を汲むみたいな作業が向いているのかもって思う。

「映画の中の出来事」MV

——y0denさんの世界観ってすごくある。その中でsoneちゃんと2人の融合で今現在の曲達が生まれて来た感じ?

sonezaki:y0denさんは作曲には頭が回っていたけど、歌うってことはあまり考えていなかった(笑)。日本で音楽やるなら歌える曲じゃないと上手くいきにくいから、そういう意味で私が「これ歌うの無理なんだけど」って反抗していたね。それも今となっては勝手によかったと思っている(笑)。

——最初はy0denさんも歌詞を書いていたけど、soneちゃんに書いてもらったら女性だから表現の幅も広くて、みたいなことを彼が以前RO69優勝のインタビューでおっしゃっていました。y0denさんはすんなりsoneちゃんの歌詞を受け入れてくれた?

sonezaki:でもね、頑固なところもあるんだよ(笑)。どストレートな歌詞みたいなのはちょっとなぁ…って言うし、少し分かりにくい単語が好きだったり。あとメロディーも安易なのは無しとか、分かりやすく単純なことは出来ない。それを汲みながら作るって結構大変で、1回でいける時もあるけど、何回もやり直すこともあるんだよね。